前職の友人と取り組んだ、習慣化の工夫が予想以上に効果的だったので紹介したい。
その名も「逆罰金制度」である。
「逆罰金制度」とは
「逆罰金制度」は、自分の失敗が相手に迷惑をかける仕組みを活用して習慣化を促進する取り組み。 通常の罰金制度では自分が損をするだけだが、この方法では相手が損をする状況が生まれることで、心理的プレッシャーが行動を後押しする。
例えば、以下のような感じ。
私:「今日から一週間、毎日筋トレをします。私がもしサボったら”あなた”が私に 1000 円を払ってください。」 相手:「承知」
仕組み
重要なのは「罪悪感」と「失墜感」。社会人でお金を持つようになると、罰金で自分が 1000 円減るだけなんてダメージがない。
しかし相手が 1000 円払うとなると話は変わってくる。まずそもそも自分のせいなのに相手が払ってしまう「罪悪感」、さらに自分がやらなかったことが直接相手に伝わり、「失望」されてしまう恐怖感。社会人にとって人からの信頼を失うほど嫌なものはない。ダメージがでかいのだ。
まとめると以下。
(1) 罪悪感を活用する
人間には、他人に迷惑をかけたくない心理が働く。「自分がサボったせいで相手に負担をかけてしまう」という感情が、習慣化の強力な動機づけになる。
(2) お互いを高め合う
「相手を失望させたくない」とい気持ちが、関係をよりポジティブに発展させるきっかけになる。
(3) 他人の目が行動を促す
相手と約束することで、「やらないと見られてしまう」プレッシャーが生まれ、怠惰を抑制する。
実際にやってみた
自分は「1 週間毎日筋トレする」「やったら写真を送る」を宣言。
毎日報告。相手は報告を確認したらグッドスタンプを押してくれる。
このグッドスタンプも中々良い。よし今日もやったぞ!というモチベーションになる。
1週間で区切っていて、達成したらまた次の宣言をしていくループ。
やってみてどうだったか
やってみてから 6 週間経つが、いまのところ毎日筋トレできている。この 6 週間の間に飲み会や海外旅行などのイベントもあったが、実行できた。
実際にやってみた結果、明らかに優先順位が上がるのを感じた。時間がないと思っていたが、朝子どもがテレビを見ている間に筋トレする、寝かしつけ終わったあとに無理やり起きて筋トレするなど、案外時間は生み出せるものだなと再認識した。時間がなかったのではなく、単純に優先順位が低かっただけであった。
また、まだ一回も「逆罰金」が執行されていないので、実際どんな気持ちになるかはわかっていない。一緒にやってくれている友人が一回だけ「逆罰金」をしたことがあった。友人は「思ったより罪悪感はなかったが、罪悪感がないこと自体が不誠実だと思い、自己嫌悪に陥った」と言っていた。
しっかり感想を送ってきてくれるところが良い。たぶん自分も同じ感想を抱きそうだなと思った。
終わりに
習慣化を成功させる「逆罰金制度」について紹介した。
今回やってみて人を巻き込んだときの強制力を改めて実感した。また、相手もやっているんだから自分も頑張るぞという健全な競争力も働いて、モチベ維持につながっていた。
現在は「報告をしなくても習慣を維持できるのか」を検証中で、今のところ 2 週間報告なしで継続できている。ただ、やはり報告がないと「強度」が弱くなる。いつも腕立て 100 やっていたのに 80 回でいいか、みたいな。
最後に、習慣にまつわる本で『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる 1 つの習慣』は中々良かったので一度読んでみる価値あると思います。