ハイパーマッスルエンジニア

Vim、ShellScriptについてよく書く

フリーランスになって 5 ヶ月経つ感想

 

フリーランスで働き始めてから 5 ヶ月経とうとしている。忘れないうちに今の気持ちを書いておく。

大前提、今業務委託として働かせてもらっている会社が非常に良い環境なので、ほかでは通用しないよ!と言われそうな感想も書いている。それを含めての今の気持ちである。

フリーランスになる前の気持ち

会社員以外の働き方、お金の稼ぎ方を模索したくて会社員を辞めた。
当初は業務委託や個人開発、知り合いの手伝いやプログラミング講師のバイトだったりをやってみようかなーとうっすら思っていたが、特に何をやるかは決めていなかった。

実際会社員を辞めたあとは半年ほどニートをしていたが、「人との関わり」「成長実感」「社会貢献感」を求めて業務委託を探し始めた。

フリーランス 1 日目

たぶんこの日のことは忘れない。
初日、README を見ながら環境構築を終えて、タスクに取りかかれるようになり今日はここまで!として業務を終わり、空気を吸いに外に出た。すると突如、体中にある思いが駆け巡る。

達成感

そう、達成感である。ああ働いた、やりきった、ミッションをこなすことができた、そんな思いで胸がいっぱいになっていた。

半年間のニート生活では決して得られなかった幸福感が、体中を満たしていった。ああ社会貢献をしている、、、おれは働いている、、、(実際はまだ何もなしていないので貢献もなにもないのだが)

夕日が頬を染め、気持ちの良い夏の風が吹いていた。電動自転車で子どもをお迎えに行き、アイスを買ってあげた。ガリガリ君を一緒に食べた。

予想外の変化

フリーランスになる前は想像していなかった自分の変化をあげていく。

勤怠に嘘をつかなくて良くなった

会社員時代もフレックスタイム制ではあったが、月の最低労働時間(160 時間)は決まっていたので日中 8 時間(9:30~18:30)で実質固定されていた。 そのため、日中なんかやる気出ないな〜と思って 1 時間サボってしまっても、特に勤怠の休憩ボタンなどは押さず、まあどこかで帳尻合わせて 160 時間に満たせばええやろとしていた。 しかしこれは段々と日常化してしまい、いつしか 2 時間サボるのは当たり前、みたいな感覚になっていく。そしてこれが一番大事なことなのだが、この状態は自分に嘘をついている状態である。 2 時間サボっていても平気な顔して退勤ボタンを押し、なんならこの 2 時間の休憩時間があるからパフォーマンス良く働けているんだ、これはエンジニアにとって大事な時間なんやなど、意味不明な弁明をし始める。

この見苦しい嘘を自分についている状態は、いつしか会社に対してのモヤモヤになる
これは元々自分についていた嘘を正当化するために、「全社 MTG の存在意義がわからない」、「今の開発体制に対してモヤモヤする」など、会社に対しての謎のモヤモヤとして漏れ出していく。 ロジックは完全に破綻しているのだが、おそらくこんな状態にあったと思う。

しかし、フリーランスで時給制になることで「稼働時間=給料」を明確に意識することになった。
本当に自分が働いている時間のみ勤怠ボタンを押すようになった。17 時に 1 回上がるときに退勤、夜ちょっと作業しよと思ったときに出勤、というようになった。昔だったら 17 時に上がったとしても 18 時に退勤ボタンをおして、夜作業するときは出勤ボタンを押さないという風にしていた。

勤務時間に嘘をつかなくなってから、明らかにメンタルが健全になった。働いている時間に対して、明らかに筋が通っている感覚があった。不当な報酬をもらっていない(作業をしていないときは、ちゃんと報酬が発生しない)という感覚が、非常に心地よいことに気づいた。

これは自分にとって予想外の発見であった。

ミーティングに敏感になる

このミーティングの時間を稼働時間に換算してよいのか、と思うことがある。特に発言の機会がないミーティングなど、自分が何も生み出していない時間に対して申し訳なく思ってしまう。 発言権がない会議でも、参加することで全体像の把握や背景情報をキャッチアップできて、最終的にアウトプットの質・速度が上がるなどメリットはあるかと思う。

ただ、これはまだ自分の中でうまく落とし込めていない。自分としては参加できて嬉しい思いと、申し訳ない思いが入り混じっていてどう考えるべきかなーと迷っている段階である。いつかスッキリするときがくるかな。

技術力はまだまだ上げられる

これは完全に今の会社のおかげだが、やったことがない分野も挑戦させてもらえて嬉しい限りである。
当初は技術の切り売り的な感覚で「今自分にできることを提供する」という気持ちで望んでいたが、幸いなことに今自分ができることに関わらず、会社にとって必要なことをやらせてもらえる環境にある。
また、今の会社は技術力が高い人が多く、自分の知らないことをレビューでたくさん指摘いただけてめちゃくちゃありがたい。設計のレビュー会にも参加させてもらったりと、エンジニアってやっぱり面白ッ!と思うことがよくある。

正社員の大変さ

業務委託の立場になってから、改めて正社員の作業量の多さを実感する。
社外・社内の問い合わせ対応、セキュリティチェックシート、評価・目標設定、全体ミーティング、レビュー、KPT、採用面談、チームマネジメント、緊急対応、これらをやったうえでメインの開発業務。

やりすぎである。

立場上請け負うことができない業務も多々あるが、問い合わせ対応は請け負うなど、できるだけ正社員の方の負担を減らせるような動きができたらいいなと感じている。

評価・目標設定がないのは良い

厳密には契約更新時に評価されるのでなくはないが、いわゆる「Value に沿った行動ができたか」や「OKR 達成チェック」など、半期の振り返り等がないのは非常に楽だなと感じている。
会社員時代も目標設定や評価をすることに対して苦手意識はなかったし、元々個人で毎月振り返りや目標設定をしているので、設定自体は嫌いじゃない。ただ、会社として記載する際は、やはりどこかで無理やり業務と紐づける必要がある。

目標を達成できた/できなかったに関わらず、上長/メンバーで必ずすり合わせが発生する。仮に目標が達成できなかったとしても「でもこの代わりにこの部分はできていましたよね」と評価を上げる方向になったり、逆に達成できたときに「でもあなたならもっとできたかもしれません」など、調整が発生する。これは自分がエンジニアマネージャーだったときに実際に自分もしていたので、組織として調整は必要だと感じている。絶対的な正解があるようなものでもない。

ただ、やはりどこかで調整という名の「嘘」が心に染み込んでいく感覚はある。嘘をつかなくて良い気持ちよさは勤怠のところで記載した通りで、もしかしたら会社での個人目標ってなくてもいいのかなーとか思ったりした。たぶん様々な観点から必要なのだろうとは思うのだが、選択制とかでもいいのかなと思ったりする。なんとなくの肌感だが「勝手に評価してくれればいいから、目標設定とか無しでもいいっすか?」という人は一定数いる気がする。会社やプロダクトが進化してればそれで満足、みたいな。

組織論になっていくのでこのあたりでストップしたいが、あくまで個人的な思いとしては、なくてもオッケー!これからも頑張るよ!って感じ。

終わりに

フリーランスになってから感じたことを書いた。基本的にネガティブな感情はなかった。
別の会社で業務委託をしていたらまた全然違う感想を抱くんだろうなと思う。
とりあえずこれからも元気でやっていき 💪